空港にシャワールームがあるなんて知らなかった。
そのシステムは利用者が少ないせいかとても古く、リフォームされずに残っていた。
備え付けインターホンはどうやら数十年前のメカニズムで、無意味に角ばっている。
部屋は綺麗に整頓されていたが、僕の以前にいつどんな人がこの部屋を利用したのだろうか?
普通のサラリーマンなら、待ち時間を少し我慢してスーパー銭湯やスパに足を運ぶはずだ。
利用者がいるとすれば、よほど面倒臭がりか、綺麗好きか、
あるいは僕のように夏場は一日三回シャワーを浴びなければ気が済まないような人間だろう。
いずれにせよマニアックな人種に違いない。
改良されることなく使い古されたシステムの風格がそれを物語っている。
こういった忘れられたまま静かに存在し機能し続けるシステムに、
僕は度々ノスタルジアを感じることがある。
仕事帰り、最終便でふらりと羽田行きの飛行機に乗り込む。
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