エピチャン

2011/03/07

世の中にはわかっていることとわかっていないことがあり、わかっていないことの方がその大半を占めている。

僕らはわかっていることの中で意識的に生活をしている気になっているだけで、
実際は大いなるわかっていないことの渦の中で、無意識に身を任せながら暮らしている。
世界はわかっていないことだらけで回っている。

たとえば僕らは出張や海外旅行などでしばしば飛行機を利用するが、
あの鋼鉄の塊がなぜ空を飛ぶのか実はよくわかっていない、という話を聞いたことがある。
ニュートンの空気力学やベルヌーイの定理など諸説あるが、
物理学的にハッキリしたことは未だ解明されていないらしい。

たとえば僕らは古くからウナギを食べる習慣がある(その歴史は古く、万葉集にまでさかのぼる)が、
そのウナギの生態については未だ謎だらけで、その産卵さえまだ一度も確認されていないという。
2009年、生物学者によってようやく天然ウナギの受精卵が、世界最深のマリアナ海溝付近にて発見され、
産卵場所は恐らくその海域だと推定されているが、真相は定かではない。

つまり僕らは、
何で宙に浮いているのかもよくわからない鋼鉄の乗り物に数十年ものあいだ乗り続けているし、
どこで産まれたのかもわからないあの奇妙な生き物を、数百年ものあいだ蒲焼にして食べ続けている。
世の中はそんなことばかり。よくわからないのに無意識で生活の中に取り込んで暮らしている。

それで僕がなにを言いたいかというと、
僕は君のことがまだ何もわからないし、わかるのはきっと数百年ほど先になるのかもしれないけど、
今夜、君と一杯のビールが飲みたい。だから今から飲みに行かないか?

つまり、そういうことです。

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