エピチャン

2010/08/31

古い恋人とのセックスの話。
僕は顔射をする性癖などないし、一度もしたことがないのだけど、
当時セックスの終わりかけに、喘ぎ声を上げながら彼女が不意に、
「顔にかけて・・」と言ったことがある。
無我夢中、無意識の状態で彼女の吐息に紛れて発された言葉。
彼女の中に在るいつかの誰か、僕の知らない男の性癖がフラッシュバックしたその瞬間を僕は聞き逃さなかった。
そういうことは往々にしてある。間違えて名前を呼んでしまうような、一種の癖のようなものだ。
誰もが隠し持って嘘をついて、相手を傷つけまいとしているだけだ。
複雑な思いを胸中抱きながらも、僕はそれを聞こえなかったフリをして射精した。
勿論その後も、そのことについて一度も触れることはなかった。

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