とある太った30代後半の男が食事をしている様子を見ていたんだけど、それがもう酷かった。
おそらくコンビニで買ったものだと思うけど、唇に器をダイレクトに付け、上を向いて口を大きく開け、匙のようなもので食べ物をガガガッとかき込んでいた。
もはや人として最低レベルの、犬と変わらぬ食事の姿だった。その有り様は、品性というものを著しく欠如していた。
この男とセックスしたい女なんてこの世に一人もいないんだろうな、と思った。
人間もこうなってしまったらおしまいだ。っていうかあれは人間じゃない。ヒト科の動物だ。僕の一番嫌いなタイプだ。
生まれつき品格の備わった人間など存在しない。品格には訓練が必要だ。優しさと同じように。
人は美しくスマートであるために、日々訓練し続けなければならない。生きることを選び続ける限り、人は理性と本能のジレンマから逃れることはできないのだ。
人間の本性を炙り出すタイミングは決まって、食事、セックス、そして危機的状況だ。セックスと、危機的状況については、また機会があれば書こうと思う。
それにしても、あまりに強烈な反面教師を目撃した僕はしばし呆然の体(てい)で、食欲さえも失せてしまった。
エピチャン
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