エピチャン

2011/02/03

マレーシア産の石鹸のことを考えている。

僕の使っている石鹸はマレーシア産だ。そう包装紙に書いてある。
どこにでも売ってる、なんの変哲もない石鹸だ。
そこら中のスーパーやコンビニに掃いて捨てるほど並んでる。
価格も安い。100円ちょっと出せば誰にでも買える。
その万能かつ廉価な存在にも関わらず、誰もその存在価値やプロダクトについて考えたりはしない。
当たり前のことだ。

けれど僕はこの石鹸を包装から取り出すたびに、行ったこともないマレーシアという国のことを考える。
マレーシアの石鹸工場で働いてるであろう労働者や、そのもの達の手の風格、着てる服、靴の汚れ具合。
そしてそのもの達の家族や、その家族の貧富や、
それら全てを包括した幸福について、ほんの少しだけ思いを馳せる。
それから一回目の真新しい石鹸を使う。二回目以降からは忘れている。
結局のところ、僕らは僕らの生活の範疇からしか幸福というものを見出せない生き物だし、
それはマレーシアで石鹸を作り続けるもの達とて同じことなんだろう。

もう一度言う。
これはどこにでも売っているマレーシア産の石鹸だ。掃いて捨てるほどある。

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