エピチャン

2014/07/31

まだガキの頃、母子家庭で貧乏だった時に、母がたまに近所の焼肉屋に連れて行ってくれた。

母は学もなければ手に職もなく、パートを掛け持ちして、僕達兄妹三人を育ててくれた。
そんな苦しい生活の中で、あの近所の小さな焼肉屋で食べた生レバーが、もう本っ当に、最高に美味しかった。
真っ赤な牛レバーに葱が振りかけられていて、ごま油と塩をつけて食べる。
特別な店ではないし、特別な肉でもなかったけど、母が苦しい中で必死に働いて、僕達に食べさせてくれた生レバーが、本当に心の底から美味かった。

大人になって、自分で金を稼ぐようになって、高級店でグラム数千円のどんなにいい肉を食べてみても、
あの日の生レバーを超える御馳走は未だに全然見つからなくて、今もずっと忘れられない。

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