エピチャン

2014/05/23

昔、友達の好きな女を好きになってしまった事がある。友達をA、女をBとする。

AはBのことが好きだった。Bは僕のことが好きだった。
僕もBのことが好きだったけど、 Aのことが大切な友達だったし、Bへの思いは静かに消そうとした。
Aは僕に、Bが好きなことを言わなかった。だから僕もAに、Bが好きなことを言えなかった。

でも、僕は思ったんだ。それで誰が幸せになる?
僕が心の中ですべてを無かったことにして、僕はBだけでなく、Aに対しても嘘をつくことになる。それだけは嫌だった。
僕がAだったら、どうしてほしいか───。

そして、僕はAに言った。Bのことが好きだと。Bも僕を想ってくれていると。
その時、Aがなんて言ったか。Aは僕に言った。「おめでとう」と。そしてBに言った。「好きだった」と。
そして僕達ふたりに「応援する」と笑顔で言った。その時のAの顔が、今でも忘れられない。

大切な友達Aよ。僕はこうすることが一番いいと思ったよ。
君の大切な人を奪うことになっても、僕は君に嘘をつけない。たとえ傷つけても、正真正銘の気持ちで望む。それが本当の友達だと思ったから。

それから数年後。
Aは結婚して幸せに暮らしている。Bはきっと今頃幸せに暮らしているだろう。
僕は相変わらずこんな感じで、すべては別々になる末路だ。
でも、あの時の決断は、僕達のジャンクションは、決して間違ってなかったと思うよ。
それぞれに傷つけあい、それぞれの道に別れたけど、遠く離れた今、僕はこの道の途上で、それぞれの幸せを祈るよ。

ピース。

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