エピチャン

2014/05/17

http://epixlog.tumblr.com/post/83663255176

母が出ていく夜、母はもうここへは帰ってこないと、子供ながら悟った。わがままは言ってはいけないと思った。
当時僕はまだ小学生で、学校から真っ直ぐ帰ってきては、母がいなくなったアパートの部屋でひとり泣いた。
母の痕跡を確かめるように、クローゼットから母の服を取り出して、においを嗅いだ。
一番愛している人に、抱きしめてくれるはずの人に、見捨てられるのがどういう事なのか思い知った。
僕は、“寂しい”という感情がどういうものなのかよく分からない。その時に、すべての寂しさを置いてきてしまったのかもしれない。

一度信じた相手に、愛している人に、見捨てられるのが怖い。
どんなことがあっても、その手を離さないと、強く握っていてほしい。「ここにいる」と言って抱きしめてほしい。僕はまだ子供なのかな。

今日は、母と食事をして、お酒と手袋を買ってあげた。母の日のささやかな贈り物だ。
僕には帰る家がないけど、こうして母とは時々会っている。
母は今、再婚相手と幸せに暮らしている。離婚で沢山つらい思いをした母が、また幸せになってくれて、僕はとても嬉しい。
僕も沢山つらいことあったけど、僕を産んでくれて、育ててくれて、今は本当に感謝の気持ちしかない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ

自己紹介

自分の写真
ご意見、ご感想はepidence[at]gmail.comまで。